2016年09月22日

文豪山怪奇譚 山の怪談名作選

 東雅夫さん編のアンソロジーです。収録作品は火野葦平『千軒岳にて』、田中貢太郎さん『山の怪』、岡本綺堂さん『くろん坊』、宮沢賢治さん『河原坊』、本堂平四郎さん『秋葉長光ーー虚空に嘲るもの』、菊地寛さん『百鬼夜行』、村山槐多さん『鉄の童子』、平山藘江さん『鈴鹿峠の雨』、泉鏡花さん『薬草取』、太宰治さん『魚服記』、中勘助さん『夢の日記から』、柳田國男さん『山人外伝資料』です。
 またまた読み終わってから感想を書かずに一ヶ月超経ってしまった…。怪奇小説が好き+登山が好きな自分なのですが、本屋さんでふとこの本が目につきました。これは買うしかない!ということで衝動買い。実際心底買ってよかったと思える一冊でした。
 山は美しく、恐ろしく、生活に密着していて、それでいて未知の領域が大きい場所。怪談、幻想小説の格好の舞台であります。近代の文豪連が書いたというだけあってどの作品も文章が素晴らしい。もちろん、幻想的で美しいもの、読者の好奇心をかきたてるもの、背筋のぞくりとするもの、心躍るもの、とその素晴らしさの質は作品それぞれに異なります。私は中でも岡本綺堂さん、泉鏡花さんの作品が気に入りました。またお二人の他の作品も読んでみたいと思いました。
 一作一作魅力を語っていきたいところですが、一月前の記憶を辿りながら書いてはうまく表現できない気がするので、近く再読してからにします。(その前に積ん読を片付けていかなくては…笑)
 本当にオススメな一冊です。ぜひ本屋さんで探してみてください!笑

評価:AA
posted by みさと at 22:31| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(その他の著者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月16日

遠野物語

 柳田國男さんの作品です。言わずと知れた遠野物語。民俗学のバイブル的存在です。小話が無数に連ねられている形式で、7月以来隙間時間に少しずつ読んでいって、先週やっと読了しました。
 淡々と遠野の伝承や文化、民俗を綴っているだけなのに、遥か遠い遠野が不思議と近しい存在に感じてきます。全くの異国のはずなのにどこか郷愁めいたものを感じるのです。
 大学生中に遠野へ旅行してみたいなぁ、とふと思ったり。大学で専門にするわけではありませんが、地元含め、いろんな土地の民俗を調べるのもやってみたいですね。

評価:B
posted by みさと at 17:01| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(小説以外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

死者は還らず 山岳遭難の現実

 丸山直樹さんのルポルタージュです。山岳遭難の状況からさらに踏み込んでその背景となる心理状況にまで踏み込んで、事故の原因を考えています。私自身、大学のワンゲルで沢登りをしているため、かなり身につまされる内容でした。自分は死ぬほどの危機一髪、といった経験はまだありませんが、少し滑落しかけたことや一歩間違えば20メートル下へ真っ逆さまというところを木の根をつかんでトラバースしたことはあります。ああいう時、やけに冷静なんです。死ぬ時は「ああ、死ぬんやな」ってあっさりと死ぬんだろうな、と思いました。
 一番ゾッとしたのが、遺族の章。自分が死ぬことは諦められたとしても、自分が死んだ後家族・親族や友人に迷惑をかけると思うと絶対に死にたくないと思います。

 このルポを読んでいて、筆者が事故の死者や同行者を散々にこき下ろしているのがやけに目につきました。読んでいる最中筆者の文章にかなり苛立ちながら読んでいました。後書きによると、筆者はできるだけ真の原因を追求したいとしています。その上で、自分の意見を率直に、あるいは読者にインパクトを与えるため計算して強く書いたとしています。このような態度を通して、読者に遭難について真剣に考えてもらいたいというのが筆者の意図だそうです。私は腹が立ちながらも、それならばその作戦は私に関しては成功しているな、と思いました。
 作者の(文章から伝わってくる)人格は到底好きにはなれませんが、登山者や登山者の家族はぜひ読むべきルポだと思います。

 読了後一月近く経っての感想なので、ただでさえ下手な文章が一層ひどくなってしまった気がします。感想がうまく伝わっていないかもしれませんが、何卒ご勘弁を。

評価: A
posted by みさと at 09:28| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(小説以外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月03日

大学生。

 ワンゲル部、林業サークルなどで土日をほぼ返上した学生生活をしていますが、今週は同じパーティの仲間が体調不良で急遽山行が中止になり、土日を比較的自由に使えることになりました。
 金曜日は沢に行く気満々で大学に登校した(金曜の晩出発予定でした)のですが、一時間目が始まる直前に山行中止の報。エネルギーのやり場に困り、ふと大学近くにある大文字山でも登ろうと思い立ちました。ワンゲルの一回生陣に声をかけたのですが、女子一人しか集まらず。4限後ボックスに向かっている最中に友達二人とあったので彼らにも声をかけ、四人で登ることになりました。
 一緒に登るワンゲルの子と歩荷(トレーニング用の重り)を持っていくかどうか相談。友達連中が変な反応をするので、不思議に思っていたところ、彼らが歩荷(ボッカ)を ウォッカ(водка)と勘違いしてたことが判明。自分としてはそれがかなりツボでした。
 山上では友達の持って来た麻雀に興じました。日も暮れていたので、ヘッドライトをつけて。ワンゲル勢二人はルールが分からなかったので、友人たちに教えてもらいました。途中夜景を見にカップルが登ってきました。折角のムードを馬鹿な大学生たちがぶち壊してしまって申し訳ない、と少しバツが悪かったです(あまり気にしてなかったようではありましたが…)。下山後大文字で麻雀をしたことを先輩に話すと、かなりびっくりされていました。ワンゲルで最も麻雀をしなさそうな二人が麻雀を覚えたからか、大文字で麻雀をするという発想が斬新だったからか…。
 詳しい内容は書きませんが、登山中も下山中も破天荒な友達にいろいろ楽しませてもらいました。いつものようなハードな山行も楽しいですが、ワイワイ話しながらのんびりハイキングするのも楽しいですね。
 下山後食事に行き、友達のうち一人の家にお泊まりさせてもらいました。定番の恋バナをしたり、祇園祭や夏休みの予定など話し合ったりといろいろ盛り上がりました。
 何だか、大学に入ってから初めていわゆる「大学生」なことをした気がします。勉強とサークルで全て過ぎ去ってゆく毎日の良い息抜きになりました。

 土曜日は勉強をしたりまた別の友達の家にお邪魔したり。日曜日は期日前投票に行き、ワンゲルでなかなか行けていなかった狂言のお稽古にも行きました。中々充実した週末を過ごせたと思います。
 ただ、この週末は仲間が体調不良だったから得られたものなのですよね…。彼女の体調が早く回復しますように祈るばかりです


追記
 毎度当ブログをご覧いただきありがとうございます。ただいま大学の授業の一環で自然科学・科学技術へのアンケート調査を行っております。ご協力いただけると嬉しいです。
回答フォーム↓
https://docs.google.com/forms/d/1woIRCWrjNRxrVzV_LghLaRsDo9U0TEuuTd2897Qlulg/viewform
posted by みさと at 23:24| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月27日

麦の海に沈む果実(再)

 恩田陸さんの長編小説です。

あらすじ
 二月の末日、青の丘にある全寮制の学園に転校してきた理瀬。そこは、三月しか転入生を受け入れてこなかった「三月の国」で会った。至れり尽くせりの教育を受けられる一方、自由な外出もできず、半ば学園内に隔離された状態になる者も多い。ある者にとっては「養成所」であり、ある者にとっては「墓場」であった。




 丁度5年前、中学時代に読んでいたく気に入った本です。ミステリ要素をふんだんに含みながらも少し現実離れした雰囲気に包まれた一冊です。
 5年前、理瀬と同世代だった自分も、はや大学生。また当時と違った風に物語を読むことができました。理瀬たちの若さ、幼さ、そして、それらが持つ甘いようなほろ苦いような、まっすぐ見るのが恥ずかしいような感情。これらは彼女らと同世代では気づきにくいものだと思います。
 またこの小説の魅力は、キャラクターの魅力にも直結しているような気がします。普段前面に出ている恐れの感情から芯の強さ垣間見ることのできる理瀬。ある意味で「正しい」クールキャラ・黎二。その他にもヨハン、憂理、聖……。登場人物の一人一人が個性的で愛着がわきます。孤立した学園都市、という要素だけでどこかワクワクしてしまいますが、そこに暮らす人々が魅力的なら、なおさら……。

評価:A
posted by みさと at 23:48| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(恩田陸) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

地名の社会学

今尾恵介さんの本です。地名の成り立ち、階層、現状について分かりやすく述べられています。市町村の下の、大字・小字・町丁などの地名がどのような仕組みになっているのかは意外と知らない方が多いのではないでしょうか(高校のとき「大字」って何て読むのと友達に聞かれて衝撃を受けた記憶があります(^_^;))。地名に関するイロハが極めて明快に書かれているので、地名についての入門書にちょうど良いのではないでしょうか。
 また市町村の統廃合や住居表示の実施で古来より脈々と受け継がれてきた地名が消滅しつつある現状についても強く問題提起がなされています。最後に引用されたマーガレット・ジェリング氏の言葉にあるよう実際地名は「過去への道標」であり、測りきれない文化的価値があると私も思います。
 少々感情的な面もありますがかなりわかりやすい本です。これまであまり地名について意識してこなかった人も、この本を読んで少し考えてみてはいかがでしょうか。

評価:B
posted by みさと at 13:34| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(小説以外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月29日

サークル活動。

 大学入学からもうじき二ヶ月。地理学や都市論など、将来取り組みたい地域/過疎地振興にまつわる教科を中に履修登録しました。一週間に19コマですから、割と忙しい日々が続いています。
 サークルはメインとしてワンダーフォーゲル部に入部しました。沢登りのパーティに入ったのですが、同級生の保険が5月に間に合わず、残念ながらまだ一度も沢に行けていません。来週が初の沢登りで楽しみにしているところであります。ここまでは金比羅山でロッククライミングの技術を磨いたり、奥美濃で藪漕ぎをして読図・ルートファインディング・節水の練習と精神力の鍛錬をしたりしていました。
 ワンゲルの他に山仕事サークルと地元大学のボランティア系サークル、後芋けんぴ同好会なるものに入りました。参加できる頻度はワンゲルほどではありませんが、これらのサークルからも色々と学んでいきたいです。
posted by みさと at 21:15| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月13日

さがしてみよう日本の形D 民家

 立松和平さんら文、日々貞夫さん写真の本です。北海道から東北まで、日本の古民家を紹介しています。私は古い集落を通るとき、いつも家の造りを見ています。同じ関西の中でも色々な造りの家が見られて面白いです。他の地方に行くときなんてもう。全く家の造りが違ってワクワクします。一冊の本の中でこのように日本国中の家を見られてやはり楽しかったです。初め三つは見取り図も書いてあって興味深かったですね。
 中家の住宅が特に気に入りました。以前から大好きな大和棟。しかも環濠付き。こういう家に住みたいものです笑。大和棟は日本の民家の中でも一番好きな建築です(地元だから、ということでのひいき目かもしれませんが)。あの屋根の形を見ると本当に心が躍りますね。
 面白い本でした。しかし、ただ、特に後半、写真と文章の対応があまり良くなかった気もします。あとできたらそれぞれの家の全体像も載せて欲しかったです。

評価:B
posted by みさと at 23:58| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(小説以外) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

吾輩は猫である

 夏目漱石さんの長編小説です。

あらすじ
 我輩は猫である。苦沙味先生の元に転がり込んで養ってもらっている。偏屈な主人の周りに集まる紳士達も一癖二癖あるものばかり。人間達との付き合いは不愉快なことも多いが、彼らを観察するのは面白い事この上ない。




 丁度朝日新聞にも連載中の、誰もが知っている超有名作でございます。苦沙味先生や迷亭先生たちのの珍妙でトンチキな掛け合いが面白いです。猫や登場人物たちは無茶苦茶な理屈を言っているように見えますが、実際は痛烈な社会批判になっているところが少なくないのがこの小説の魅力の一つだと思います。
 ただ…冗長な感じがあり、私は途中で少しダレてしまいました。個人的には夏目先生一番の名作は『こころ』だなぁと思います。
 個人的に一番好きなのは最後の50頁ほどです。特にラストシーン。ものすごく斬新な感じで、やられた、という感じがしたのですが、読んでから思えばこう言う結末になるのは必然であったような気もします。

評価:B
posted by みさと at 22:14| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(その他の著者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月23日

高校卒業・京都へ

 お久しぶりです。3月9日、第一志望大学の合格が決まりました。学校や友達、家族らと共に喜びあったのも束の間、受験という壁が消えた途端に「卒業」の文字が目の前に現れました。めでたくも悲しく寂しい、感傷に浸るひと時となると思いきや、諸々の入学や以前から友人と構想していた卒業旅行の計画で、多忙に追われて一瞬の間に一週間がたってしまいました。
 16日に高校の卒業式を終え、翌日から親しい友人四人と二泊三日の卒業旅行に出かけました。魚津で見た蜃気楼(感動で騒ぎまくっていたら地元テレビに取材されました笑)、宇奈月の温泉、富山のお城、金沢の兼六園などなど、どれも心に残る思い出になりました。卒業式直後からというハードスケジュールのせいで後半バテ気味ではありましたが、仲の良い友達と忙しいこの三月の貴重な時間を共有できて、本当によかったと思います。4月からは遠く離れた土地へ行く友人もいたこともあり、別れるのが名残惜しくてなりませんでした。
 昨日は入学書類提出日だったのですが、一週間の無理がたたってか風邪をひいてしまい、しんどい中大学へ書類を提出を提出しに行きました。無事に出せたのですが、帰宅後バタンキューで、そのまま12時間も寝てしまいました。幸い今朝には殆ど回復し、地元の友人と会ったり塾の卒業式に行ったりしました。明日からは高校に合格体験記を出しに行ったり、大学の新歓に行ったりする予定です。
 こんな感じで忙しい毎日ですが、1日1日が本当に充実しているように感じます。


 4月より京都府内の某国公立大学へ通うことになります。遠距離通学となるためさらに時間がなくなって郷土ネタを書く時間がますますなくなってしまうかもしれません。しかし、京都も大和河内と同様歴史の宝庫ですので、新天地でも歴史探求をしていきたいと思っています。
 たとえブログに書けないとしても、柏原や三郷を始め、南河内・西和の歴史への興味は生涯持ち続けるつもりです! 高校の定期が切れるまでに、定期券内の河内長野・富田林の名所旧跡を回ってみる計画も立てています(*^_^*)
 これからも、間隔は長くなっても(やはり読書感想が中心となるかもしれませんが)ブログは更新していくつもりです。気長にお付き合い下さるれば幸いに存じます。これからもよろしくお願いたしますm(_ _)m
posted by みさと at 23:54| 奈良 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする