2018年10月12日

FP技能士3級完全攻略テキスト

 前田信弘著・ナツメ社出版のテキストです。 9月にFP3級の試験を受けまして、その勉強に読みました。お堅い教科書的すぎない割に内容が充実しており、かなり満足のテキストでした。ポイントもわかりやすく赤字や印になっており、分かり易かったです。
 同社の問題集と合わせて購入し、夏休みの試験前一週間で対策をしましたが、なんとかなりました。最後はわりと余裕があったくらいです。
 内容としては、社会保障やリスクマネジメント、資産運用、税金、不動産、相続などです。社会人の基礎知識を広く浅く習得するような内容になっております。将来社会生活をしていく上でのイメージがつきましたし、実際家庭を運営していく上での知識となったと思います。
 不動産の法規などは、土地や建築に関わる自分の専門とも少し関わりがあります。そういう意味でも、勉強になった気がします。宅建も余裕があるならばとっても良いのかな、という風に思ったり。
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2018年03月16日

日本の愛国心

 佐伯啓思さんの本です。私の所属する学部の退官された教授さんの書いた本ということで読みました。
 「愛国」は近年力を増している論調であるように思えます。同時に、その反動のようなものも蠢いております。
 しかし、この「愛国」を唱える保守も、「愛国」を警戒する革新も、図式化された中、それ自体の理念というよりも対するものへのアンチテーゼとして存在しているような傾向があります。
 「保守」や「革新」がもともとの意味を考えると混乱した形で図式化されている(GHQ体制や安保体制の関係を考えればわかりやすいでしょう)ことは、それなりに理解し、考えていたつもりでありましたが、佐伯さんは第二次世界大戦の敗北を考究することでこの問題を深めています。「負い目を持つ日本の愛国心」という言葉にこのことは象徴されています。

 「愛国」の対象となる「国」とは何なのか?
 というのは、高校時代からずっと疑問に思っていたこと。ネイション=国民、市民社会なのか? 国家の統治機構なのか? 民族なのか? 「故郷」なのか?
 私が昔から浅はかな知識なりに考えていたことを、深く深く掘り下げてくれたような感じがします。私は愛郷心・「故郷」と愛国心・国家を厳格に区別し、想像の共同体としての国家というものへの信奉を批判していましたが、ある程度のところで結びついているということも気づかされました。
 国民国家における「ナショナリズム」の位置付けを整理できたのもよかったです。

 終盤の日本思想のところには、知識が浅く、なんとなくの理解しかできていない気がするのが心残り…。

 ナショナリズム、愛国心は安直な感情論に行き着きがちですが、この本のようなきちんとした論考を一冊読むことは、この問題を考えていく上で必要なことだと思います。
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2017年08月18日

グローバリゼーション・パラドクス

 ダニ・ロドリックさん著、大川良文さんと柴山桂太さん訳の本です。国民国家と民主主義とハイパーグローバリゼーションは鼎立しないという「国際経済のトリレンマ」を骨子に盲目的なグローバリゼーションを批判しています。
 詳述はしませんが、わかりやすいようにこれまでの例を挙げてみると
国民国家+民主主義:ブレトンウッズ体制
民主主義+ハイパーグローバリゼーション:ユーロ体制 (世界政府)
国民国家+ハイパーグローバリゼーション:金本位制
であります。ロドリックさんは、歴史・経済・政治の観点からグローバリゼーションを適度に抑える一つ目の選択肢を提唱しています。
 実はこの本は授業の教科書として読んだもので、その授業を担当したはったのが訳者の大川さん(非常勤講師としてですが)。また別のコマでは柴山さんの授業も受けていました(柴山さんは私の学部の先生!) ということで親しみのある人たちの訳したもので、興味深く読むことができました。
 とはいえ、全くの畑違いの分野で、読んでも「なるほど」とか「確かにそうか」くらいで、自分なりの考察は中々出来ません。そもそも根本となるところは理解できますが、細部の理論まで理解できたかというとかなり怪しいところ。
 しかし、私は普段グローバリゼーションを考える時に文化の面やナショナリズムとの関係の面ばかり考えがちでありましたが、貿易・金融面についても考えることができたというのはかなり勉強になったところだと思います。

 知識がなく、他にしっかりした経済書を読んだことがないがゆえに、グローバル経済について語ろうとすると、ロドリックさんや大川さん、柴山さんのおっしゃることの受け売りばかりになってしまっている気がします。もう少しちゃんと語れるようにしたいなぁ。

評価:B
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2017年05月27日

里山資本主義

 藻谷浩介さんの本です。木質バイオマスをはじめ、地域内のエネルギー、食糧、建材などのものを利用することで、お金が無くなったり輸入が唐突に途絶えたりしても生活していけるサブシステムを構築する「里山資本主義」を説いています。
 林業や地域にかかわっている身として前から気になっていた本です。かなりわかりやすく書かれている反面少し断定的な文体だったので、「検証した方がいいのでは」とか「本当にそういえるのか」と思ってしまう面もありました。
 経済成長をひたすらに目指すのではなく、停滞や多少下向きでも長く続く経済、ある程度外に頼らなくても自立できる経済を考えるべきというのは、中高時代からの私の思いとかなり近いところ。自分と意見が近いだけに、文体が気になってしまったという感はあります。
 里山資本主義は一つの重要な考え方であるのは確かだと思います。地域を生きる人はもちろん、グローバルな世界を目指す人にもぜひとも読んでもらいたい一冊であります。

評価:B
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2017年02月14日

地方創生大全

 木下斉さんの本です。主に「経営」の立場から様々な地域事業の問題点などを考察しています。

 採算の取れないビジネスに延々とつぎ込まれる補助金、結果より手続きが重視される行政政策づくり、耳障りの良い真新しいだけのアイデア、合意ありきの議論…現在なされている地域事業によくある問題点を暴いています。
 実際読んでいて確かにな〜と思う指摘も多いです。当然なようで意外と意識しない観点が含まれていて面白かったと思います。特に「視察にお金を取る」というのははじめ見た時は目を疑いましたが、かなり良い案です。人に自分の事業を解説するのってかなり手間も時間もかかることです。成功したところに集中して視察が押し寄せて無料の解説を要求してはその団体が疲弊することは避けられません。
 ただ気になったのは、地域の活性化をお金の面だけからのみ見ていること。行政がすべきことは、住民の効用を上げることです。それはお金で測ることができるとは限りません。採算面で見ると赤字の事業でも、それによって住民が大きな効用を得られていればそれはやる価値があると思います。金銭利益以外の効用をどうやって評価するというのは難しいところではありますが…(費用便益分析というのがありますがこれも難しいところ。。)
 地域活性事業に関わる人には中々考えさせられる一冊だと思います。

評価:B
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2016年11月07日

女子と愛国

佐波優子さんのドキュメンタリーです。自虐史観的な教育に反し、「愛国」に目覚めた女性たちを描いています。
 図書館でなんとなく手に取った一冊。いわゆる「ネット右翼」の行う思考をそのまま表したような本でした。あまりにもステレオタイプにすぎ、逆側の立場を持つ人が皮肉的に描いたといっても不思議には思わないほどです。
 論理的に戦後教育などを批判するわけではなく、それらが批判されるべきものという前提で、女性たちが「愛国」に目覚める様子が描かれており、その時点で、同じような思想を持つ人に読者層を絞っていることがわかります。その目覚める理屈も同じ立場からきわめて主観的に眺めているため、いまいちよく理解できませんでした。
 外を説得させるのではなく、内輪で共感を持ちながら読むような本なのだろうなー、と思いながら読了しました。

 このような思想を見ていると、「国」というものが何なのかよく考えないまま「愛国」を叫んでいる人が多いような気がします。また機会があれば国家や「愛国」についての私見を改めて載せるかもしれません。

評価:D
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2015年02月16日

ナショナリズムの克服

 姜尚中さんと森巣博さんの対談です。最近ナショナリズムというものに興味をもっていろいろ考えたりしています。結構、固定観念で自分自身を縛って、右なら右、左なら左のステレオタイプな思考に陥ってしまう人が多いイメージがあるのですが、この本では流されない自分の意見を述べているのだな、と思いました。当たり前のことのはずなのですが、少し衝撃を受けました。
 結構いろいろ参考になる意見もありましたが……森巣さんの下ネタはどうにかならなかったものか(~_~;)

評価:B
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2014年11月03日

TPP亡国論

 中野剛志さんの本です。タイトルのまんま、TPP参加への疑念を強く提示した本なのですが、「亡国」とまで書かれていたので驚きました。ただでさえ農業が衰退している今、TPPで打撃を食らったら、元の状態に回復させるのは難しいだろうという単純な理由でなんとなくTPPを嫌だなと思っていましたが、これを読んでその思いを強めました。賛成論者にも理はあるのでしょうが、やっぱりデメリットが大きすぎるのではないかと思います。自民党や民主党の中でも賛否両論のある問題のようですが、果たしてどうなることでしょう……。参加にしろ不参加にしろ、これをきっかけに日本の大切なものが失われていくことは絶対にあってはいけないと思います。

評価:B
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2012年12月09日

日本の都市は海からつくられた

 上田篤さんの本です。漁民の生活などから日本の都市の成り立ちなどを書かれています。

 中々目の付け所が面白い本だと思いました。歴史・民俗と都市の成り立ちの絡み……大変興味深く読ませていただきました。
 特に六章の「木の寺」は本当に興味深く、参考になりました。良い木材は古くなれば逆に強度を増していくとか、日本人が「無常」のものだからこそ木を愛したということなどで感嘆の声を上げてしまいました。日本に不朽の石造りが少なく、すぐに建て替えられる木造が多いからこそ、日本は技術大国として発展して来たのですね。例外と思っていたコンクリートでさえも、意外とすぐになくなってしまうことを知って驚きました。

評価:B
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2012年07月25日

1941年12月8日 アジア太平洋戦争はなぜ起こったか

 江口圭一さんの本です。アジア太平洋戦争についてできるだけ具体的に書かれています。

 戦争を体験した人だからこそ書ける内容だと思いました。これまで、ただこういうことがあったという歴史としてしか太平洋戦争を考えていなかったのですが、これを読んで、この戦争から学ぶべきものの多さに気がつきました。戦争の後は虚しさしか残らない、と改めて思いました。将来日本を担う者の一人として、この本を現役の世代、そして僕と同じ将来の世代の人たちにこの本を読んでほしいと思います。過去を学び、同じ過ちを繰り返さないように……。
 「過去に眼を閉ざす者は、未来に対しても盲目である」という言葉を思い出しました。誰の言葉かは覚えてはいませんが、これは本当のことだと思います。

評価:A
posted by みさと at 19:18| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(政治学/経済学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする