2014年03月06日

私が彼を殺した

 東野圭吾さんの推理小説です。

あらすじ
 脚本家の穂高誠は人気詩人の神林美和子との結婚を目前に控えていた。穂高の家に美和子と兄の貴弘が式前の挨拶でやってきたが、そこに一人の女性が現れる。彼女は元々穂高と付き合っていたのだが……。




 有名な、答えのない推理小説。再読です。そんな考え込んでミステリを読むタチではないので、ちょっと不満なのですが、結局誰が犯人なのかなぁ。さっぱり分からない。読者への挑戦なら、エラリー・クイーンさんや有栖川有栖さんのスタイルで良かった気がします。こちらの方が話題作りにはなりますが、やっぱり賛否両論は覚悟したでしょうね。
 とは言いつつも結構魅き込まれる作品で、最後に犯人が分からないのがもどかしい! 東野さんはこれを狙ったのか、という重いです。思わずネットで検索しちゃいましたよ……。
 実験作の色が強いと思いますが、それでも本当に東野さんは素晴らしい作家だと思います。職人業とも言えると思います。
 そう言えば、何も知らずに手に取れば倒叙ものっぽいと思いますよね、このタイトル。

評価:B
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2014年02月09日

嘘をもう一つだけ

 東野圭吾さんの短編集です。収録作品は『嘘をもうひとつだけ』『冷たい灼熱』『第二の希望』『狂った計算』『友の助言』です。

あらすじ
『嘘をもうひとつだけ』 バレエ団の事務員・早川弘子が自宅マンションから転落死しているのが発見された。彼女はトウシューズを履いていた。同じバレエ団に勤め、マンションに住む寺西美千代の前に加賀と名乗る刑事が現れ、あれは殺人事件の疑いがあると話すが……。
『冷たい灼熱』 田沼洋次が家に帰ると、妻の美枝子が倒れていた。裕太の姿も見えない。警察に通報し、応対しながら洋次は妻の言葉を思い出した。ーーあたしだって楽しみがほしいわよ。
『第二の希望』 楠木真智子が家に帰ると、男の死体があった。彼女がつきあっていた男だ。事件が解決しないまま、傷の癒えぬまま真智子の娘の理砂は稽古ごとを再会するが……。
『狂った計算』 坂上奈央子の夫・隆昌は車の事故で死んだ。奈央子は哀れな未亡人を演じていたが、実際は殺したいほど憎んでいた。そして、実はある計画があったのだが……。
『友の助言』 萩原保は自動車事故を起こしてしまった。居眠り運転をしてしまったと彼は言うが、友人の刑事・加賀恭一郎はまじめな仕事人間の彼の居眠り運転に不審を抱くが……。




 初読だと思ったのですが、読み始めるとどこかデジャヴを感じました。それが本当に以前読んだからなのか、東野さんの作風によるものなのかはわかりませんが……。
 基本的に倒叙もので、それぞれ軽く読めて、外れはありません。一番のおすすめは『友の助言』。前の四編は良くも悪くも二時間ドラマ的なストーリーですが、最後はかなり読んでいて感情移入してしまいました。意外と言えば意外な動機ですが最近こういうの増えてきているような……。社会が変わってきたということなのでしょうか。
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2013年08月27日

新参者(再)

 東野圭吾さんの連作集です。

あらすじ
 日本橋、自宅のマンションで翻訳家の女性が首を絞められて死んでいるのが発見された。この人情の町に赴任してきたばかりの加賀恭一郎は、上杉たち他の刑事とは異なり、一見関係なさそうな事件にも目を留めるが……。




 三年ぶりの再読です。あのときは、評判ほどでなくて拍子抜けしたと記しましたが、結構面白かったです。やっぱり映画やドラマっぽい感じのストーリーだと言う印象を受けました。
 特に変わったところのない一つの事件を様々な視線から見る小説は多くありますが、この小説は密室と言う訳でもなく、アリバイ云々もそこまで複雑ではありません。そこが逆に好感ですね。
 加賀刑事シリーズも久しぶりに読んだなぁ〜。

評価:B
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2013年07月17日

ある閉ざされた雪の山荘

 東野圭吾さんの長編推理小説です。

あらすじ
 劇団のオーディションに合格した七人の男女は、ペンション「四季」に集められた。彼らはそこで「閉ざされた雪の山荘で起こる殺人事件」という設定で即興の劇の稽古を始めさせられるが……。



 久しぶりの東野圭吾。そして、久しぶりの読書感想記事。もひとつおまけに久しぶりのブログ記事な気がします。
 こういう嘘かまことかわからずドキドキするような展開、大好きで読み始めました。予想を遥かに上回る真実。まさに本格ミステリといった感じで楽しめました。ただ、よくも悪くも本格ミステリの域を出ておらず、感動というものはなかった気とは思います。普通に面白いけどね。

評価:B
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2012年10月06日

さいえんす?

 東野圭吾さんのエッセイです。科学に関することやスポーツ、書籍産業に関することなど、いろいろ書かれています。

 身近な「サイエンス」に関することが中心ーーのはずですが、結構何でもかんでも扱っています。期待していたのとは違うのですが、軽く読めてそれなりに楽しめました。読みはじめてすぐ、デジャヴを感じてふと読書記録を見てみたら、二年前に読んでいました。二年も経ったのに中々記憶というのは消えないものなのですね。
 内容で気に入ったのはやはり科学と出版業界に関すること。

「この女、俺に気があるな」男はなぜこんな誤解をするのか?
 これには唸らされましたね。自分にも心当たりがあるので(といっても実際にそんなことを思ったのではなく、単に近づかれてドキドキしただけですが)、本当になるほどと思いました。

 出版関係は、本好きとしては必読だと思います。筆舌に尽くし難いですが、とにかく読んでみて下さい!

 評価:B
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2011年12月18日

真夏の方程式

 東野圭吾さんの長編推理小説です。

あらすじ
 恭平は、夏休みを伯母一家ーー川畑重治と節子、その娘の成実ーーが経営する旅館「緑岩荘」で過ごす事になった。緑岩荘は地味だが海の奇麗な土地・玻璃ヶ浦に位置している。玻璃ヶ浦は観光業を中心とした町だが、寂れつつあり、緑岩荘も経営危機に陥っていた。そんな中、列車内で恭平と仲良くなった物理学者・湯川学ともう一人、塚原正次という元刑事が旅館に泊まる。ところが、その晩塚原が失踪し、次の日に死体で発見された。塚原は何故この地に来て、何故死んだのだろうか。過去に起こった殺人事件が関係しているようだが…?




 久しぶりのガリレオ。『容疑者Xの献身』ほどの感慨はありませんでしたが、面白かったです。
 ミステリとしてというより、人物像を描く普通の小説として楽しみました。湯川の無感情な口調が、彼の不器用さを読者に印象づけ、湯川を中心とした群像劇をより面白くしています。
 トリックは現実的ですが、この物語に限って言えばこれで良かったと思います。

評価:A
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2011年10月23日

超・殺人事件 推理作家の苦悩

 東野圭吾さんの短編集です。収録作品は『超税金対策殺人事件』『超理系殺人事件』『超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)』『超高齢化社会殺人事件』『超予告小説殺人事件』『超長編小説殺人事件』『魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)』『超読書機械殺人事件』です。

あらすじ
『超税金対策殺人事件』 例年になく収入が増えた推理作家。いつもより羽振りよく一年を送った彼だが、所得税と言う大敵が迫っていた。

『超理系殺人事件』 私は書店で『超理系殺人事件』と言う本を買った。その本は専門知識が沢山書かれた本だが…。

『超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)』 四人の編集者は作家・鵜戸川邸介の家に呼び集められた。鵜戸川は皆に己が書いたフーダニットの犯人を当てさせようとする…。

『超高齢化社会殺人事件』 高齢化が進んだ世の中、作家も80代、90代が珍しくなくなってきた。作家・藪島清彦もぼけが始まったらしく、担当の小谷は原稿の読解に苦労する。

『超予告小説殺人事件』 売れない作家・松井が連載中の小説のシナリオに沿って連続殺人が起きる。担当編集者はそれを売名に利用しようとするが…。

『超長編小説殺人事件』 ひたすら長い作品が好まれる世の中になってきた。作家・葛原は担当編集者に推され、間延びした長い小説を書くが…。

『魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)』 先が見えないまま、推理小説の原稿が残り五枚になってしまった。果たしてその結末は…。

『超読書機械殺人事件』 書評家・門馬の元に書評を自動で行う機械がやってきた。門馬はこれを重宝するが…。



 前回ハードカバーで読んだ物を、今回は文庫で読みました。あっさりと軽く読めるところが良いですね。
 現代社会を風刺しており、苦笑いをしてしまうところが沢山ありました。
 東野さんって本格から社会派、ユーモアミステリまで、なんでも書けるのですね。多彩な作品にいつも驚かされます。

評価:B
posted by みさと at 22:55| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(東野圭吾) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月29日

十字屋敷のピエロ

 東野圭吾さんの長編推理小説です。

あらすじ
 奇妙な十字形の屋敷で、数々の惨劇が起こる。全ての事件現場には、不幸を呼ぶと言われているピエロの人形があった。事件はいったん解決したと思われたが…。




 いかにも、と言った雰囲気の中で起きる殺人事件。良くも悪くも普通の推理小説、といった所ですね。人形の視点というのは個性的ですが。
 見せ場はラスト四頁です。退屈になって途中で投げ出したら、この作品の本当の良さが分からなくなりますよ。是非最後まで読んで下さい。

 宮部みゆきさんの『パーフェクト・ブルー』という小説は犬が視点だったはずです。読んだ事はありませんが、赤川次郎さんの作品に『三毛猫ホームズ』というのもありましたよね? 人間以外が視点というのは珍しくないのでしょうか。

評価:B
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2011年07月26日

天使の耳

 東野圭吾さんの短編集です。収録作品は『天使の耳』『分離帯』『危険な若葉』『通りゃんせ』『捨てないで』『鏡の中で』です。

あらすじ
『天使の耳』 交通事故が起こった。軽自動車と外車の事故で、軽自動車の運転手は死亡していた。外車の運転手と軽自動車の同乗者はお互いに青信号だった、という。軽自動車の同乗者で運転手の妹・御厨奈穂は、盲目であったが自分の耳で兄の正当性を証明しようとする…。

『分離帯』 深夜車を走らせていた男は、前のトラックが事故を起こすのを目撃した。事故の直後、彼は路上駐車していた黒のアウディが発進するのも目撃。だが…。

『危険な若葉』 男は、若葉マークがついた車を煽り、事故を起こさせてしまった。捕まるのを恐れ、逃走した彼だが、事態は予想もつかない方向へと進んでいく…。

『通りゃんせ』 路上駐車をしていた雄二。彼は、車に傷を付けられて憤慨したが、傷を付けた本人・前村から電話がかかってきた…。

『捨てないで』 高速道路で前の車が捨てた空き缶が目に当たり、失明してしまった田村真智子。彼女の婚約者・深沢伸一は空き缶を捨てた犯人の車を捕まえようとするが、その車は…。

『鏡の中で』 原付と自動車が衝突した。自動車側は自分の非を認め、事件はすぐに解決するように見えたが…。




 交通事故にまつわる話を集めた短編集です。
 『天使の耳』と『危険な若葉』は、被害者は実は…という話ですね。読み終わった時ゾクっとしました。こういう読後感は、私は好きです。
 『分離帯』は、事故の原因となったおばさんの嫌らしさが印象に残りました。こんな人が周りにいたら嫌やな…。
 『通りゃんせ』は今回のベストです。前村の無念は想像しがたいほどです。路上駐車をしている方々に読んでもらいたいな…。
 『捨てないで』「私を捨てないで」「ゴミを捨てないで」という二つの意味があるのでしょうね。もう少し短かったら、中学校の国語の問題集に出てきてもおかしくないでしょう。
 『鏡の中で』は、普通の事故にもこんなことがあるのだな、と感慨深い作品でした。

評価:A
posted by みさと at 17:52| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(東野圭吾) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月25日

怪しい人びと

 東野圭吾さんの短編集です。収録作品は『寝ていた女』『もう一度コールしてくれ』『死んだら働けない』『甘いはずなのに』『灯台にて』『結婚報告』『コスタリカの雨は冷たい』です。

あらすじ
『寝ていた女』 俺は同僚三人のデートの為に、部屋貸しをしている。ある日、いつも通り部屋を返してもらおうと思ったら見知らぬ女が寝ていた。彼女は誰に連れられてきたか分からないという。俺は、彼女が何故自分の部屋にいるのかを調査する。

『もう一度コールしてくれ』 強盗を働いた俺は、野球をしていた頃、嫌な思い出を作った南波の家に逃げ込む。俺は、その思い出について彼を問いつめようとするが…。

『死んだら働けない』 俺の上司・林田は仕事が趣味というような男で、日常的にサービス残業をしていた。ある日、彼が変死体として発見された。彼の死因は…?

『甘いはずなのに』 再婚した私は、二度目の妻・尚美と新婚旅行に出かけた。老夫婦と仲良くなるなど旅行を楽しんでいたが、私は一度目の妻との間に出来た子の死因は尚美にあるのではないかと疑っていた…。

『灯台にて』僕は、自分の兄貴分との関係を壊す為に一人旅に出かけた。旅先の灯台で、灯台守に親切にしてもらうが、彼は…。

『結婚報告』 智美は、典子が結婚したという手紙を写真とともに受け取った。が、その写真に写っていたのは、典子ではない別の女性だった。何故このような写真が送られてきたか、智美は調査する…。

『コスタリカの雨は冷たい』 バードウォッチングをするため、旅行先で公園に出かけた僕とユキコ。そこで待ち受けていたのは強盗だった…。




 昨日一日で読み終えてしまうほど読みやすい作品でした。収録作品の中で一番よかったのは『甘いはずなのに』ですね。次点は『結婚報告』『死んだら働けない』かな。
 『もう一度コールしてくれ』は中々…。誤解というものは恐ろしいですね。
 『死んだら働けない』は、犯人も被害者も可哀想な話です。
 『甘いはずなのに』は軽い叙述トリックがあり、ものの見事に引っかかってしまいました。主人公夫妻、お幸せに。
 『結婚報告』は、これらの作品の中で一番ミステリらしいです。殺人犯の動機が心に残りました。
 全体的に衝撃的なトリックなどはありませんが、非常に良い好短編集だな、と思いました。

評価:B
posted by みさと at 12:51| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(東野圭吾) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする