2012年01月08日

新・日本の七不思議

 鯨統一郎さんの短編集です。収録作品は『原日本人の不思議』『邪馬台国の不思議』『万葉集の不思議』『空海の不思議』『本能寺の変の不思議』『写楽の不思議』『真珠湾攻撃の不思議』です。

あらすじ
『原日本人の不思議』 バー・スリーバレーでは、バーテンダーの松永、星城大学文学部教授の三谷敦彦、その助手の早乙女静香、ライターの宮田六郎の四人がしばしば歴史について議論をしている。普段は、静香と宮田が反対の意見を言い合い、残りの二人が時々口を挟むような形なのだが、今日は様相が違う。静香と宮田が連れ立って入ってきて、同じ意見を主張している。松永は違和感を感じるが…。

『邪馬台国の不思議』 レガシィを駆り、静香と宮田は八幡平の地にやってきた。ここは以前、宮田が邪馬台国の位置だと比定した土地だ。彼らは現地で、その真偽を確かめようとする…。

『万葉集の不思議』 静香と宮田は島根県津和野に旅行に来ていた。万葉集の代表歌人・柿本人麻呂について調べる為である。ところが、現地でペという韓国人の教授に会い、柿本人麻呂の正体について議論を戦わすことになった…。

『空海の不思議』 静香と宮田は、高野山まで旅行をしてきた。その帰り、大阪難波で食事を摂ろうとした。料理屋に入ろうとした時、高野山で一緒になった女性と出会う。彼女の名は白空鳩。話しているうちに、空海の話になり、珍説を披露する宮田と、それが気に喰わない白の論争になる…。

『本能寺の変の不思議』 以前、宮田は織田信長は自殺願望を持っていた、と説いた。その証拠を見つける為に、静香を連れて今川義元との戦いの土地・桶狭間にやってきた…。

『写楽の不思議』 学生の三村千明、三宅亮太、先生の早乙女静香は謎の多い画家・東洲斎写楽の正体について推理をしていた。ところが、静香が頼りとしている宮田は、三宅の出した説をあっさりと打ち砕く…。

『真珠湾攻撃の不思議』 スリーバレーに、静香、宮田の他、米国教授のジョゼフ・ハートマンがやってきた。ハートマン教授の一言により、論争が始まった。テーマは太平洋戦争の原爆使用の理由について、そして日本軍の真珠湾攻撃についてである…。




 ワンパターンからは抜け出しましたが…。いきなり宮田と静香が恋仲に陥るというのはどうかと思いました。『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』が好きな人が必ずしもこの作品を面白いとは言わないでしょう。私も、静香と宮田の掛け合いが見られなくなったのは残念に思います。おまけに、幾つかの作品は前の短編集の補足。 ネタ切れか?と少し不安になりました。
 第一作で全編に出ていた三谷教授。今回は最初の話にしか出てきていません。しかも相変わらず影が薄い…。結構好きな人物だけに、残念に思います。ハートマン教授は最後の話にだけ出てきましたが、こちらは影が薄くない。宮田の相手になってるしね。
 『すべての美人は名探偵である』に出てきた三宅亮太も出てきました。こちらの登場には唖然。本当に驚きました。
 今回の短編集は前二作に比べて、どうしても見劣りしてしまいます。

評価:C
posted by みさと at 23:32| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(鯨統一郎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月06日

ファンタジスタはどこにいる?

 鯨統一郎さんの長編推理小説です。

あらすじ
 有名なサッカー選手・安東大吾が楠公像に跨がり、爆死した。週刊記者の犬飼大志郎と黒木典江は事件の取材を始める。
 警察の捜査が難航する中、第二の殺人が…。




 鯨氏特有の軽いタッチで、あっと言う間に読み終わりました。
 本作は展開が早くて、名前を覚えるのに忙しかったです。
 物語の重みが全くないというのはどうかと。トリックも平々凡々、小説としてもさして面白くない。駄作とは言いませんが、私としては外れを引いた思いです。

評価:D
posted by みさと at 22:35| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(鯨統一郎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月12日

邪馬台国はどこですか?

 鯨統一郎さんの短編集です。収録作品は『悟りを開いたのはいつですか?』『邪馬台国はどこですか?』『聖徳太子は誰ですか?』『謀叛の動機はなんですか?』『維新が起きたのはなぜですか?』『奇跡はどのようになされたのですか?』です。

あらすじ
『悟りを開いたのはいつですか?』 バー・スリーバレーに揃った三人の常連客。文学部教授・三谷敦彦と助手の早乙女静香、そしてライターの宮田六郎。宮田の「ブッダは悟りを開いていない」という言葉で、宮田と静香のブッダ論争が始まった…。

『邪馬台国はどこですか?』 初めて会ってからまだ二回目だというのに、静香と宮田がまた議論を始めた。テーマは邪馬台国。今日も宮田の頭が冴える…!

『聖徳太子は誰ですか?』 前二回と同じく、二人が論争を始めた。テーマは聖徳太子。聖徳太子、蘇我馬子は実在するのか?

『謀叛の動機はなんですか?』 例の三人組が集まって、また討論を始めた。今度のテーマは本能寺の変の黒幕について。宮田六郎が信長に関する奇説を披露する。

『維新が起きたのはなぜですか?』 恒例となってきた静香と宮田の歴史論争。バーテンダーの松永は毎度それを楽しみにしている。今日のお題は、明治維新について。一体どんな謎なのか…?

『奇跡はどのようになされたのですか?』 いつも通り、三人が集まって始めた議論の題は「復活したキリスト」。宮田は復活にはトリックが使われたと言うが…?




 どれも面白いのですが話の流れがワンパターンで、あらすじの文章を考えるのに苦労しました。感想も個別に書くと全て似たような文章になるので、まとめて書きます。
 奇妙な意見を連発する宮田六郎。どちらかというと保守的な早乙女静香。読者と同じ立場に立つ松永。いまいち存在感がない三谷敦彦。殆どが前二者の会話で話が進みます。松永は視点となる人物なので、ある程度書かれています。三谷教授は時々思い出されたかのように台詞を言うだけで、存在感がありません。もう少し彼の影を濃くしてやっても良いのでは、と思いました。
 主題・宮田の珍説は拝読の価値があります。嘘かまことか私には分かりませんが、読んでいて本当に面白かったです。特に秀逸なのは『聖徳太子は誰ですか?』。先が気になったので、休み時間を費やしてまで読みました。

評価:B
posted by みさと at 20:21| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(鯨統一郎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月27日

ミステリアス学園・パラドックス学園

 今回はネタバレなしです。

 今日は冬休みに読んだ『ミステリアス学園』『パラドックス学園』を紹介します。作者はどちらも鯨統一郎さんです。
 『ミステリアス学園』はミステリ入門に最適、と説明に書かれていますが、結構分かりにくいネタが多いので、沢山ミステリを読んだ人の方が楽しめそうです。犯人、凶器は本当に意外でした。
 『パラドックス学園』は私が読んだ鯨作品のなかで、もっとも面白かった本です。これは読み終わったとき、思わず上手い!と言いたくなりる本です。なんと言いますかね…サーカスで上手な演技を見たときのような爽快感があります。
 あと鯨統一郎さんの作品全般に言えることなのですが、ジュニア小説のように軽く読め、人物一人一人の容姿の説明が細かいです。

『ミステリアス学園』評価:C
『パラドックス学園』評価:A
posted by みさと at 22:14| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(鯨統一郎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月06日

白骨の語り部

今日の記事にもネタバレがあります。ご注意ください。









 一昨日、土曜ワイド劇場で鯨統一郎さん原作の『白骨の語り部』が上映されました。テレビをあまり見ない私もこれは見なあかんな、と思い9時から11時までの間ずっとブラウン管の前にかじりついていました。内容は原作に比べてかなり劣化していました。四人姉妹のうち二人が犯人と被害者なのですが、残りの二人の存在意義がないのです。原作は何かしらの役割が有ったはずなのですがね…。更に原作よりも主人公の作家とその編集者の年齢がかなり変わっています。それはどうでも良いですが、原作の重要なキーワードの「自動筆記」が消えています。これがあったらまだ話が面白くなるでしょうに。


 原作は一年ほど前に読みました。ベタな展開の割には面白かったのを記憶しております。でも、この作者の作品で一番面白かったのは『邪馬台国はどこですか?』ですね。

小説評価:B
ドラマ評価:D
posted by みさと at 19:56| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(鯨統一郎) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする