2020年05月29日

なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか(牧野知弘)

これも読み物的な感じで読んだ本です。不動産業のイメージって、度胸とハッタリでお金を求めて土地を転がす、みたいな悪いイメージがあります。この本では、不動産業をそうしたイメージを作った、短期で転売を繰り返すギャンブラーと、賃貸や管理で長い目で不動産と付き合う大家さんや「町の不動産屋さん」とに分けています。前者を狩猟、後者を農耕にたとえ、土地の永続性と無二性、不動性をもとに、後者を勧めるといった内容になります。
 タイトルになっているクエスチョンを取り上げておきますと、これは、油ばかり売っているように見えても、地元のコミュニティに入って行くことで資産家の持つ不動産の管理業務を獲得し、また相続や売買などが生じたときには、世話をすることで手数料をもらう、という仕組みであります。
 土地に価値を置き、きれいな建物にごまかされるな、という言葉も印象的です。

 土地というものは、人間に関係せず、そこに存在し続けているものであります。人間が資本主義の中でそれをやりとりしているように見えて、土地は決して動くことはなく、実は動いているのは人間と(社会)の方である。そう思うと、何だか不動産業だけでなく、地理や建築みたいな学問についてもですが、私たちはなんて空間を支配しているなんていう幻想に抱かれてい生きているんだろう、と思います。近代的な、デカルト的な考え方はいまだに自分(たち)の中にも息づいているんだな、と感じました。
posted by みさと at 14:26| 奈良 ☀| Comment(0) | 読書(政治/経済,社会科学系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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