2020年05月21日

文人世界の光芒と古都奈良ー大和生き字引・水木要太郎(久留島浩・高木博志・高橋一樹編他)

この本は大和の郷土史家として名高い水木要太郎(1865-1938)の残した史資料のコレクションを題材にした共同研究をまとめたものです。
水木は明治42年に前任の郡山中学から奈良女子高等師範学校(現在の奈良女子大)の国語・漢文部の教授に就任し、そうした中で、水木は奈良県を中心に古代から近世に至る膨大なコレクション(古文書、古瓦、会が、書籍、建築部材…)を形成します。自身論文を書くことはありませんでしたが、古文書学の権威で文化財行政に深く関わった黒板勝美他中央のアカデミズムと深い交流をもち、奈良県史跡勝地調査委員として活躍するなど地方と中央の渡し舟となりました。

「竜田」研究の参考に、と分野の先生にお貸しいただいた本です。アカデミアと地域の文人的知識人の関わり、明治20年代江戸開府300年を機に盛んになる「江戸趣味」、学知と連動した修学旅行…興味深い内容が目白押しなのですが、近代史の勉強をきちんとしていないため、断片的な知識としてしか頭に入ってきていない気がします。また読み直さなきゃ、と思う本の一つです。歴史学ってかなり他の分野との接点の多くとっつきやすいイメージがあり、造園学や歴史地理学を先行研究に歴史を扱った卒論を書いたときも史料批判の難しさ以外そこまで思わなかったのですが、最近史学系の本や論文を多く読むようになって、自分の研究の浅さに気づき、現在自信を無くしているさなかです。
 この本に寄稿している高木博志先生と、丸山宏先生は近代の文化財に関する研究が多く、読み漁らなきゃなぁ、と思っています。(高木先生は京大人文研で文学研究科から授業を開講しているので、履修しています。残念ながらオンラインですが)
posted by みさと at 20:19| 奈良 ☁| Comment(0) | 読書(歴史学) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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