2019年08月21日

都市計画の世界史(日端康雄)

 今回は都市史のおさらいをすべく、この本を読みました。日端康雄さんは慶應SFCの先生で都市計画の専門家ですが、本書では都市史の概説が簡潔にまとめられています。
 1.城壁の都市、2.都市施設と都市住居、3.格子割の都市、4.バロックの都市、5.社会改良主義の都市、6.近代都市計画制度の都市、7.メトロポリスとメガロポリスという章立てです。なんとなく歴史に沿って並べられてはいますが、都市の成り立ち、形状ごとに章を作っています。純粋に歴史通りに並べられるよりも、それぞれの観点において比較ができてよかったです。

 民主主義の基盤となったギリシャのアゴラ、「周礼考工記」をモデルとした長安の都城制、平安京と平城京の町割りの違いと変遷、公衆衛生の悪化を背景としたオースマンのバロック的なパリ大改造、自律的なユートピア社会主義的でありながらも実現にいたり後代の都市計画に多大な影響を与えたハワードの田園都市構想、各国の近代都市計画の形成に至るまで、都市史として抑えておくべき要点は網羅し、整理されていました。。あとはアメリカにおける都市美運動、オルムステッドのセントラルパーク建設、パークシステムあたりの緑地計画関係も、田園都市との文脈でもう少し把握したかった気もしますが、そこまで行くと都市計画史というより造園史の領域になってしまうのでしょうか。

 概説書だとどうしても羅列的になりがちですが、わかりやすくまとまっていて読みやすく、勉強になりました。都市史の全体像を抑えたい方はぜひ。
posted by みさと at 20:44| 奈良 ☁| Comment(0) | 読書(建築/土木,工学系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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