2019年08月20日

近代建築史(石田潤一郎・中川理編)

 近代建築史の概説書です。またか、といった感じではありますが、大学で勉強しなかった割に、頻出なので、これでもかって感じで読んでます。さすがに三冊目になると、大分知識が身についてきたような気も。これまで読んできた他の二冊(鈴木博之さん、大川三雄さん)の本よりも、分量が多いのもあってか内容は詳細であった印象。レイアウト的には鈴木さん、日本近代建築史も詳述しているのが大川さん、全体的に一番詳しいのがこの本、といった感じでしょうか。)

 最近、生活と芸術の交わりについて、心惹かれます。昔から農村風景や民俗学が好きでその気があったのですが、近代建築史を勉強していると必ず出てくる「アーツ・アンド・クラフツ運動」が心に引っかかります。
 この運動は、産業革命による大量生産の粗悪な商品が出回る時代背景のもと、中世における建築と労働のあり方に芸術や建築の理想を求めたジョン・ラスキンの思想が基礎となり、ウィリアム・モリスらがその思想を実践し、職人的に作られた工芸品的芸術を創作・称揚する所から広がって行きました。多くの中世的な職人ギルドが結成され、展覧会の開催にまで至ります。この運動は近代主義への反発という意味も含みながら、アール・ヌーヴォーやウィーン分離派の建築に繋がり、様式建築から脱した近代建築の源流となりました。日本においては日用品の中に「用の美」を見出す柳宗悦の民芸運動に繋がってゆきます。
 院試が終わったら、ラスキンやモリス、柳宗悦、加えて今和次郎、路上観察学会あたりの思想や活動について本を読んで行きたいと感じます。やりたいことがどんどん増えて行きますが、院試勉強もいろいろなことに対する前提知識ともなるし、知識欲も湧いてくるし、結構役に立つんだな、とも思います。
posted by みさと at 22:17| 奈良 ☁| Comment(0) | 読書(建築/土木,工学系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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