2019年07月30日

花の埋葬(坂東眞砂子)

 作者自身の夢から紡いだ掌編を24集めた作品集。坂東さんといえば、「性」をテーマに土俗的で、官能的な作品を描かれるイメージが強いのですが、この作品集にもその空気感が漂っています。
 どの作品も総じて、夢や幻想の中に足を踏み入れていて、不安な感情をすくい取るようなものが多いのですが、何でしょう、決して重苦しくはなく、心をぐっとえぐるというよりは、朝起きて思い出す夢の断片のようにふわふわとした感じ。示唆的であり不条理であり、ほんとの夢みたいな感じです。
 全体通して読んでみると、何と無く一貫したモティーフや構成のようなものが見えてきます。これら自体坂東さんの作品ではあるのですが、彼女自身の夢を再現したものであるという話を聞いていたこともあり、坂東さんの作品の原石に触れたような気がします。
posted by みさと at 17:26| 奈良 ☀| Comment(0) | 読書(他国内文学作品) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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