2019年02月08日

村落からみた市街地形成 人と土地・水の関係史 尼崎1925ー73年(沼尻晃伸)

 沼尻晃伸さんの尼崎関連の一連の研究論文をまとめ、加筆の入った本です。沼尻さんは立教大の社会経済史の先生です。
 図書館でふらふらしてたら見かけて、自分の関心にかなり近いものであったため、テストを控えていましたが、迷わず借りました。
 旧農村の郊外住宅地を論ずる、珍しい論文。旧農村の郊外住宅地はその数の多いにも関わらず、都市研究や農村研究の時代的・空間的末端として扱われ、あまり主題に据えられることが少ない印象があります。

 舞台となるのは尼崎市の橘と浜田。それぞれ土地区画整理がなされた年代が異なり、時期や諸条件の差異を通じた比較研究が行われています。
 土地台帳や農地委員会議事録などの行政資料を用いる一方で、地主の手記や自作農の日記も取り入れています。住民がどのような意図・意識を持って土地とかかわり、市街地形成に影響を与えてきたのか。行政や大都市を中心に据えて行う研究は多くありますが、このようなミクロな視点からの研究は珍しく、価値あるものだと思います。
 私も、この論文のような、農村から見た郊外住宅地開発が自分の中のテーマの一つとして存在しています。名所の認識史もやりたいので、卒論のテーマにするかは微妙ですが、地元・柏原でこれに近い研究をしてみたい気もします。柏原は尼崎と違って、土地区画整理がなされておらず(それゆえ史料も少なそうですが)、また立地条件もかなり異なるところもあり、また違ったことが見えてくる気がします。実家の日記や小作・借地関係史料も使えたら、史料的な独自性もありますし、いつかは挑戦してみたいです。

 私は都市史・建築史の研究室に分属になり、卒業論文にのぞむことになるのですが、ここまで歴史学的な勉強をあまりしていないことが、少し悔やまれます。地理学や建築関係の勉強に時間を費やしてきたのは決して無駄ではないでしょうし、研究に役立つとは思うのですが。。。
 経済史・農史・都市史など、他分野から歴史的研究をする学者の方々は、どのように学部生時代勉強をしていたのか、気になるところであります。
posted by みさと at 09:44| 奈良 ☁| Comment(0) | 読書(政治/経済,社会科学系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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