2018年09月14日

街角図鑑

 三土たつおさん監修の本です。車止め、パイロン、境界標などなど路上にある様々なもののデザインを集めています。
 都市論や風景論系の本を読んでいると時折接する「路上観察」学の手引きのような本です。執筆陣の千葉大造園学の石川初さん、「工場萌え」で有名な大山顕さんは、個人的に少し縁があって、一度ずつお話ししたことがあります。そんなことで少し親しい気持ちで読み始めました。
 普段の生活では、さらにはある程度地理学や都市論の教養を積んでいても気にすることのないようなものまで詳細に観察されていて、面白かったです。

 路上園芸というのは私も以前から観察するのが好きで、前から見かければ足を止めたり、時には写真を撮ったりしていました。本来パブリックであるはずのスペースを私的に利用する。これは法的には良くないことなのかもしれませんが、緑の不足しがちな都市において自然発生的な緑化と捉えば有益なことです。さらに、植物の生育の話題を提供することで近隣とのコミュニケーションの発生を支えたり、手入れをする人の路上滞在時間が増えることで犯罪を抑制する効果が発生したりしているのです。(鈴木成文さんの路地に関する本に詳細に書かれていました。)

 街を歩くとき、何気なく目に入っている何かしらが、実は生活空間において大きな役割を果たしている。そんなことがあるかもしれません。これを機会に、目ざとく街を観察してみたいと思います。分節の仕方が変われば、風景は全く違うように見えてくるはずです。
posted by みさと at 21:14| 奈良 ☁| Comment(0) | 読書(建築学/都市論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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