2018年01月27日

わたしはここにいる、と呟く。(新津きよみ)

 新津きよみさんの短編集です。収録作品は『わたしを探して』『時のひずみ』『あなたの居場所』『忘れはしない』『思い出を盗んだ女』『あの日あの時』『その日まで』です。
 ザ・新津作品と言った感じの日常系ミステリ集です。一応ミステリに分類されるのか、ノンジャンルと言うべきか。作品に登場する人物の立場は様々ですが、総じて30代後半くらいの女性が多く、子供や認知症に向かっていく老人のモチーフも頻繁に登場しています。新津さんが執筆当時この年代だったのか、この年代の体験が大きな記憶に残っているのでしょうか。
 他の短編集であったような、ゾッとする、と言うほど怖い作品はありません。少し後味が悪かったり、あるいはホッとするような作品もあります。
 『時のひずみ』は、探し物が得意な奥さんの話。そんな奥さんがどうしても見つけられないものがあって、、、と言うあらすじです。子供の健気な行為が、温かな気持ちになれます。
 作品展開的にドラマチックで好きなのが、『思い出を盗んだ女』『あの日あの時』の二作品。過去と現在の偶然の符合が見事な形で現れます。

 この作品は、と言うほどものすごく大好きな作品があったわけではありませんが、どの短編もコンパクトな佳作揃いで、試験期間中の良い息抜きになりました。
posted by みさと at 18:06| 奈良 ☀| Comment(0) | 読書(ミステリ系) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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