2014年08月28日

死神の精度

 伊坂幸太郎さんの短編集です。

あらすじ
 私は死神。自分の担当の相手の側につき、一週間の観察の後、可か見送りかを決めて上層部に報告する。可の場合、担当の相手は死ぬことになる。一人一人の人間とはたった七日間のつきあいしかないが、それぞれとの付き合いには、いろいろ心に残るものがある……。




 ファンタジーのような設定ですが、ちっともそういう小説にありがちな「馬鹿らしさ」がないというのが凄いと思います。もしこれが、B級のドラマやアニメ、ジュブナイルならば、見ていて嫌になるでしょうが、伊坂さんの文章では全くそんなことがありません。現実から浮いた存在である死神が、あっさりとそこに存在しています。
 この死神、人間離れしているようで、音楽が好きだったり、渋滞が嫌いだったり、人間の行動を見ておもしろがったりと、どこか人間臭くて可愛いさすら感じます。
 この中で面白かったのは、『吹雪に死神』です。ミステリの定番である「吹雪の山荘」が舞台。連続殺人でありますから、もちろん死神が何人もやってくる。全く別のジャンルの小説に推理小説の王道をぶっ込んだのですから、面白い。真相を知りたがって探偵役を買って出るところも人間臭くて良いです。
 最終話の『死神対老女』もおすすめです。死神だけでなく、人間たちの人間くささも感じられるのがこの短編集の魅力だと思いますが、中でも最終話がその魅力が一番発揮されていたと思います。

評価:A
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2014年08月27日

21世紀人気演歌・歌謡系歌手ランキング

 今売れている演歌歌手と言えば誰でしょうか……と言えば、まず浮かぶのが氷川きよしさんと水森かおりさんです。あと、去年ブレイクした福田こうへいさんですね。もう少し長い目で見て、21世紀に入ってからだとどんな順位になるのでしょうか。氷川・水森に続く三番手は……?
 2001年以降のオリコン年間ランキングを元に、独自ランキングを作成してみました。一発どかんと当てた人も、継続的に小ヒットを出し続けた人もランキングに乗るように、オリコン1位〜25位:3点、26位〜50位:2点、51位〜100位:1点、101位〜200位:0.5点で集計しました。点数一覧は最後に記載しています。

 トップ15を、下から順にランキングしていきます。

第一五位:北島三郎
 演歌の代名詞とも言えるサブちゃん、実は二作品のランクインでした。長い間演歌をひっぱり、今でも一定の人気を保っているのは本当にすごいとおもいます。

第一四位:神野美伽
 神野さんと言えば、中堅の演歌歌手で、歌コンやモクハチでよく見るな、という程度の認識なのですが、結構人気があるようですね。またチェックしてみようかな……。

第十三位:ジェロ
 海雪が大ヒットしましたが、その他は振るわず。優しい声と今風のアレンジで若者の心をつかみました。聞き易い歌謡曲調にシフトしたのが低調の原因でしょうか。「セレナーデ」とか、「えいさ」とか、「泣き虫倶楽部」とか私は好きなのですが……。

第十二位:三山ひろし
 ここ数年、毎年ランクインしている新進演歌歌手です。確かに良い声。近い将来大ヒットを出すかもしれません。これからの演歌界を支えるニューウェーブとして期待大です。

第十一位:北山たけし
 歌手の中で誰がカッコいいかと言って、北山さん以上にカッコいい人っていない気がします。正統派の演歌後継者って感じですが、三山さん、山内惠介さんら、後続の若手に存在感を奪われつつあるのが残念です。個人的な願望として、硬派な野球演歌みたいなのを歌ってほしいですね。野球のユニフォームを着て、監督みたいな感じで笑

同率九位:松平健
 昔流行っていたのを覚えています笑。めっちゃ懐かしいですね。あおキラキラの着物も時代を感じさせます。このランキングに入れて良いのかな、と思いましたが、演歌扱いだったようなので。

同率九位:坂本冬美
 一世を風靡した「また君に恋してる」のみのランクイン。意外です。「ずっとあなたが好きでした」とかは入っていないのですね。もっと売れていると思っていました。「夜桜お七」「アジアの海賊」もあり、若者受けは良いのですが……。

第八位:川中美幸
 大御所で有名な方。この人、よくテレビで見る割に曲の印象が薄いんですよね……。この人もまたチェックしないと。

第七位:秋川雅史
 流行りましたね。「千のか〜ぜ〜に〜」って、未だにカラオケで歌います。

第六位:すぎもとまさと
 吾亦紅のみのランクイン。作曲家として、本当に大好きな人です。あさみちゆきさんや、堀内孝雄さんへの提供曲は本当によく聞いています。切ないフォーク系のメロディが好きです。

第五位:五木ひろし
 大ヒットはないものの、安定してランクインし続けています。大御所演歌歌手の中ではダントツに好きな人で、「夜空」「山河」「おふくろの子守唄」など、飽きない名曲がたくさんあります。

第四位:秋元順子
 「愛のままで…」他二作品のランクイン。一斉を風靡した「愛のままで…」は素晴らしい名曲だと思います。岩佐美咲さんがカバーしましたが、後世まで歌い継がれる曲になってほしいです。

第三位:天童よしみ
 21世紀、演歌の三番手はなんと天童よしみさんでした。意外と言えば意外です。大ヒットはないものの、やっぱり根強い人気があるように思います。元気で明るい声が魅力ですよね。先週、今大ヒットしている「let it go」を歌っていたのでびっくりしました。

第二位:水森かおり
 ご当地ソングの女王。抜群の歌唱力と上手い戦略で二番手で安定した人気を見せています。氷川さんよりも固定ファンは少なく、その分多様な人に買ってもらっているイメージがあります。ぱっと聞いて魅き込まれるような必殺のナンバーはありませんが、どれも高いクオリティで、ずっと聞いていても飽きない曲ばかりです。ちなみに、ポイントは、天童さんの約二倍。

第一位:氷川きよし
 演歌の貴公子。予想通りと言いますか、ダントツで21世紀演歌のトップを突っ走っています。なんと、ポイントは二位水森さんの三倍近く。歌い方に癖がありますが、それが病み付きになる一因ですね。
 お年寄りが中心とは言え、殆ど全世代にファンがそれなりの数がいる歌手って、氷川さんくらいなのではないでしょうか。
 「きよしのズンドコ節」「大井追っかけ音次郎」「箱根八里の半次郎」と殆どの人が知っているような曲があり、ピークが過ぎた後も低迷することなく、十万枚前後を売り上げているのは素晴らしいと思います。先に上げた三つのシングル以外にも、二十万越えのシングルが七作も!
 最低シングル売り上げが8万枚(満天の瞳)。同期デビューで同じく国民的アーティストであるコブクロの最低売り上げが1.6万枚というのを考えると、さすがですね(コブクロはアルバムに力を入れているので、人気がない訳ではありません。あくまで参考までに)。


トップ15は以下の通りです(2013年までのデータ。関ジャニ∞除く。フォーク系ですがオリコンチャートでポップス扱いだった森山直太朗、夏川りみも付載。同点の場合、ランクイン数の多い順)
1,氷川きよし 39.5(24作品)
2,水森かおり 13.5(12作品)
3,天童よしみ 7(10作品)
4,秋元順子 6(2作品)
5,五木ひろし 4.5(7作品)
6,すぎもとまさと 4.5(1作品)
7,秋川雅史 4(1作品)
8,川中美幸 3.5(6作品)
9,坂本冬美 3(1作品)
9,松平健 3(1作品)
11,北山たけし 2.5(4作品)
12,三山ひろし 2(4作品)
13,ジェロ 2(1作品)
14,神野美伽 1.5(3作品)
15,北島三郎 1.5(2作品)
ex.森山直太朗 7(4作品)
ex.夏川りみ 6(1作品)


おまけ
 ちなみに……2000年は、演歌でオリコン年間100位以内(200位以内は当時算出されず)に入ったのは大泉逸郎さんの「孫」だけ。90年代後半、演歌でオリコントップ100は皆無です。そう思うと、演歌は段々復興しているのでしょうか……?
 2014年上半期は、トップ50位以内に氷川さん「大利根ながれ月」、福田こうへいさん「南部蝉しぐれ」「峠越え」がランクインしています。年間の200位以内には水森さん「島根恋唄」、島倉千代子さん「からたちの小径」辺りはきっと入ると思います。

年間ランキングはこちら
posted by みさと at 22:00| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月23日

いろはにほへと(杜このみ)

 今日発売日で、昨日フラゲしてきたアルバムのレビューをしたいと思います。細川たかしさんの愛弟子・杜このみさんの「いろはにほへと」を買いました。このCDは、演歌を聞かない人にもぜひ薦めてみたいと思います。
 
 発売日にCDを買うというのは、去年のいきものがかり「I」以来です。デビュー二年目で早くもファーストアルバム、事務所などの期待度が伺えます。尤も、新曲はなしで、これまでのシングル・カップリングで合わせて四曲、あと八曲はカバー曲。ただし、デビューシングルカップリングの「江差初しぐれ」の間奏には民謡「江差追分」が入っています。
評価はS、A〜Eの六段階評価です。(S:最高、A:めっちゃ良い、B:良い、C:普通に良い、D:微妙、E:好きじゃない、F:嫌いくらいで)

1、のぞみ酒(評価:A)
 セカンドシングル、岸和田のリリイベで買いました。切ない歌を初々しく儚い声で歌っています。大人びた曲を、少し背伸びした感じで歌っているのが可愛いかも。少し明るい感じで失恋歌を歌っているのも、強がっている感じがして良いですね。

2、達者でナ(評価:B)
 1960年の、三橋美智也さんのカバーです。半世紀も前で、原曲は知らないのですが、昔風な歌だと思いました。民謡か何かかと思ったくらいです。民謡出身ですから、こういうのは得意なのでしょうか。コーラス?がきれいでくせになります。段々と好きになるスルメ曲です。

3、望郷じょんから(評価:A)
 細川たかし師匠のカバー曲です。細川さんの歌うこの曲は本当に大好きで、杜さんのカバーが正直、不安だったのでした。いざ聞いてみると細川さんの力強さはないものの、見事、杜さんの世界感の中に引きこんでくれる名カバーでした。

4、江差初しぐれ(江差追分入り)(評価:B)
 これも可愛らしい曲で、優しく郷愁を募らせてくれる曲です。江差追分は……また別にフルで収録してほしかった気もします。これは、次のアルバムかカップリングに収録するという予告なのでしょうか? 本当に触りしか聞けないですから、全体を聞いてみたいです。

5、おさらばふるさとさん(評価:C)
 原曲は加賀城みゆきさんの曲です。これも原曲知らない。森山愛子さんがカバーしてそうです。よくも悪くも普通のド演歌調で、この曲なんかを聞くと、杜さんの歌い方が力を入れすぎてないのがわかります。

6、天城越え(評価:B)
 演歌の中でも、津軽海峡冬景色と並んで定番中の定番のような、石川さゆりさんの曲です。これまでテレビで聴いたことがなかったのですが、CDで聞いてみると、メロディがめっちゃロック(現代風にアレンジしているのかもしれませんが)。石川さんほどの色気と情念は感じられませんが、若くより切ない感じになっています。やっぱりカッコいい曲です。

7、三味線わたり鳥(評価:B)
 記念すべきデビューシングルです。杜さんのクセのある歌い方が強調された歌で、好き嫌いが分かれるかもです。歌詞もストレートな内容で、ノリも良い曲なので、演歌になれない人も親しみ易いと思います。イントロが好きだったり……。

8、ひばりの佐渡情話(評価:C)
 美空ひばりさん、名前は有名ですが案外曲を知らなかいのです……。切ない曲調から、一瞬明るく変わるところが不思議な感じです。初めは違和感だらけでしたが、慣れると癖になるかも。

9、津軽平野(評価:A)
 吉幾三さんや千昌夫さんが歌っているのをよく音楽番組で聞きます。お二人の声はかなり心に響きますが、歌詞の世界観としては杜さんが歌った方がしっくり来ますね。等身大の感じがして好きです。家族を思う切なさが身にしみます。

10、帰ってこいよ(評価:S)
 松村和子さん原曲で、このアルバムのハイライト。三味線の音と杜さんの声ってほんとによく合うと思います。ノリの良い曲で、高音の響きが本当に素晴らしいと思います。サビの最後、「帰ってこいよ」の三連発の部分が、本当に大好きです。コブシがころころとよく回っているのが小気味良いですね。
 本当に自分の曲みたいに歌いこなしています。神園さやかさんの

11、好きになった人(評価:B)
 都はるみさん原曲で、これもアップテンポ曲。個人的には都はるみさんのあの独特な歌い方が好きなのですが、こちらの方が万人に聞き易い気がします。どのカバーもそうですが、デビュー二年目で杜さん自身の世界観を曲に与えられるのはすごいと思います。

12、初恋えんか節(評価:A)
 これはリリイベで聞いたときに好きになった歌です。杜さんの自己紹介の歌と言われているのを聞いたことがありますが、実際そんな感じの歌詞です。初めのイントロは今風な感じで私は好きなのですが、昔ながらの演歌が好きな人からしたら嫌われそうかなと思います。現代風の演歌って、当初より若者を狙っていたジェロの「海雪」ぐらいしか売れてません。杜さんは、どちらかと言うと中高年向けのアピールを続けているのでこれは受け入れられにくいかもしれないのが、残念です。


 杜さんは、他の民謡出身歌手(細川師匠、福田こうへいさん、長山洋子さん、臼澤みさきさん…etc)と比べても、民謡の色を押し出した歌い方が特徴です。おとなしい曲では、それが若々しく切ない感じが出ていて好きです。アップテンポな曲でも、その高音、コブシが遺憾なく発揮されてかっこいいです。けど、そのアップテンポな曲でも少し儚さが入るのが魅力だと思います。
 初めは森山愛子さんと同系の歌手が出てきたと思って聞いていたのですが、今改めて思うと、全然違います。かと言って、師匠の細川さんともあまり似た雰囲気ではありません。こういう感じの系統の歌を歌う人は、今あんまりいないですね。思いつくのは、「帰ってこいよ」原曲の松村さん位でしょうか。
posted by みさと at 16:11| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月15日

笑う警官

 佐々木譲さんの警察小説です。

あらすじ
 あるアパートで女性の変死体が発見された。所轄の刑事たちは、すぐにその部屋の奇妙な点に気がつくが、詳しい調査もしないまま本庁に捜査の委譲を迫られた。間もなく女性は警察官だと分かり、彼女の元カレが重要参考人とされ、銃殺許可まで降りるが……。




 随分前にレビューした「制服捜査」と同じ世界感の小説です。道警シリーズとでも言うのでしょうか。こちらも映画化されていたそうですが、知りませんでした。確かに、ドラマ向けの盛り上がる作品です。
 これも、小説の中だと、ドキドキしながら読むことができますが、本当にこんなことがあったら怖いでしょうね。世間を取り締まる立場の警察が隠蔽体質で、邪魔者を抹殺する……って、世界のどこにもあってほしくないですね。
 「制服捜査」とどちらが面白いかと言ったら、あちらに軍配が上がりますが、こちらも本当に面白かったです。

評価:B
posted by みさと at 16:56| 奈良 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(その他の著者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月05日

夏が来る

 今年も早八月、夏休みのシーズンです。夏と言えば……合宿?海?山?
 うちの倶楽部の合宿は冬ですが、友人たちは今丁度合宿から帰って来る時期です。お疲れさま!
 そう言えば今年に入ってから、まだ一回も海を見ていません。夏の間に一度、堺か和歌山辺りに遊びに行きたいですね。ハイキングは、近くの山ばかりですがもう数回行きました。そのうち一回は、PLの花火に合わせて登り、頂上から花火を見ました。PLと言えば、今年は野球、大阪決勝まで行ったらしいですが、残念ながら桐蔭に惨敗……。しかし、監督なしであそこまで行ったのはすごいと思います。また来年頑張ってほしいです。
 ちなみにうちの学校は、シードで二回戦敗退でした……。柏高は暴力事件で出場辞退なので、今回は応援したいところがどこも……。
posted by みさと at 16:20| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする