2014年07月20日

公開処刑人 森のくまさん

 堀内公太郎さんの長編推理小説です。

あらすじ
 悪人を殺し、ネットの掲示板に犯行声明を公表するという公開処刑人「森のくまさん」の話題で東京は満たされている。人々の畏怖の中で、次第「森のくまさん」をヒーロー視する人々が現れ始める……。




 これもかなり軽いミステリです。なんと二日足らずで読了です。単純なストーリーですが、かなりはまりますね。こういうブラックな小説は結構久しぶりで、一気に読んでしまいました。
 ミステリ的には、途中で「ああ、こうやろうな」と大体予測が立つので割と簡単。ネーミングを考えたらすぐにわかってしまいます。
 実際、正義だって行使の仕方を間違えれば立派な暴力ですよね。この小説ほどではないにしろ、世の中には誤った正義が満ちている気がします。近頃集団的自衛権やら原発問題やらで、右派も左派も極端なことを言っていますが、どちらもある面では良い処方箋となるでしょうし、ある面では暴力的なものになりうると思います。どこで縛るかが大切ですよね。

評価:B
posted by みさと at 00:17| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(その他の著者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月17日

祈祷師の娘

 中脇初枝さんの長編小説です。

あらすじ
 わたし・春永は祈祷師の家で育ったが、母の連れ子で、母が離婚して家を出たため家族と血がつながっていない。一人だけ姉たちが持つような力を持っていないことに私は所在なさを感じていた。
 学校で祈祷師というものの存在を否定する男子や、激しい霊障に襲われる女の子、そして祈祷師の後継者としての路を確実に進む姉の姿を見て、春永は次第にある思いが強くなる……。




 あっさり読めますが、心にしみる作品でした。これも学級文庫にあったものを何気なく読んだのですが、割と当たりの作品でした。ファンタジーに近い、超自然的な現象が出てくるにもかかわらず、ファンタジー特有の臭みがなく、また思春期特有の、自分のアイデンティティーを問う主人公を描いているのもよかったと思います。
 ちょっとヴォリューム的に物足りないような気もしますが、試験中にはこれくらいが丁度良いです。

評価:B
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2014年07月07日

制服捜査

 佐々木譲さんの警察小説です。

あらすじ
 道警の人事大異動により、刑事だった川久保篤は志茂別駐在所に単身赴任することとなった。小さなこの農村では事件が少ないと思っていたが、個々の小さな事件の奥に、この町の腐敗が潜んでいることに気づく……。




 これまでに読んだことのある警察小説は全て刑事ものでしたので、駐在さんに目をつけたのは斬新に思えました。やっぱり一番身近な警察と言えば駐在所や交番です。地味なので退屈するかと思いきや、この小説の駐在さんは刑事顔負けの行動力で、全然そんなことはありません。一度本にのめりこむと中々手を離すことができません。
 個人的に、このような田舎町を舞台とした小説は好きです。無機質な都会が舞台より、遥かに興奮します。これはど田舎ってほどでもないけど、割とどこにでもある田舎町な分、よりリアルな感じがします。

評価:A
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2014年07月06日

三四郎

 夏目漱石さんの恋愛小説です。

あらすじ
 熊本から上京してきた三四郎は、都会の街・学問・女性に驚かされ続ける。未知の匂いを放つ東京で出逢った友人たちの中に、ひときわ輝く女がいた……。




 久々に明治文学を読みました。古い小説の割には、割と読みやすい類に入ると思います。ほろ苦い青春悲恋の話ですが、この小説みたいに比喩とか使った恋愛表現なんてとてもできません。その点、ちょっと感情移入しにくかったのですが、恋愛でかっこいい比喩を使えたら気障やけどかっこいいな、と思います。まあ、現実の恋愛なんてそんなこと考える余裕もないかもしれないですが……。
 三四郎からにじみ出る青さが自分や友人に重ね合わされました。三四郎という若者像は、かなり普遍的なものだと思います。

評価:B
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2014年07月04日

平成の歌謡曲J いきものがかり

 今回は、いきものがかりについて紹介します。

いきものがかり
デビュー:1999年(インディーズ)、2006年(メジャー)
ヒット曲:ありがとう、YELL、ブルーバードなど多数
ジャンル:ポップス、歌謡曲、ロック

 いきものがかりというと、今ゆずやコブクロと並ぶ人気グループ。耳に馴染みやすい王道的な邦楽が魅力のバンドです。
 ニューミュージックやフォーク、歌謡曲、ロックを全てひっくるめた「邦楽」を原点としているらしく、癖のあるシングル曲が少ないです。アルバムには変化球もありますが、キャッチーさは残したまま。老若男女問わず、誰でも聞きやすい曲が揃っています。ハーモニカやストリングスがよく響いているのも特徴。
 めちゃくちゃ歌が上手いと言う訳でもなく、音域も狭い方の吉岡聖恵さんですが、彼女の声は聴いていてノスタルジーを引き起こします。
 歌謡曲の連載ということで、ここでは歌謡曲調の楽曲を取り上げたいと思います。

 初めに取り上げたいのはアルバム「I」収録の「恋愛小説」。サスペンスの主題歌にありそうなメロディで、吉岡さんの低音に良くマッチします。ありがちと言えばありがちな作品ですが、結構な佳作。ちなみに「I」はかなり歌謡曲寄りのアルバムで、優しい雰囲気の「恋跡」、また少しはっちゃけた「ぱぱぱ〜や」などが収録されています。特に後者は可愛らしさの中に哀愁があっておすすめです。

 またシングルのカップリングには昔の名曲のカバーが多く収録されています。これは当たり外れが大きく、太田裕美さん原曲「木綿のハンカチーフ」は声が低すぎて切なさや可愛らしさに欠けるのでいまいち。男性パートを吉岡さんが歌って、女性パートに誰かゲスト(前年に同局をカバーした神園さやかさん辺り適任だと思います)を呼んでデュエットしたら良いのではないかとおもいます。一方で、原田知世さん原曲の「時を駆ける少女」は曲調によくマッチしていて良かったと思います。良い感じに現代風になっていました。

 ベストアルバム「いきものばかり」などに収録されている「くちづけ」もおすすめです。他のいきものがかりの曲にはないブラックな雰囲気で、初めて聴いたときはかなりの衝撃を受けました。「ブルーバード」などもブラックですが、あれはまだ爽やかさが残っています。こちらはハーモニカすらもハードな印象を受けます。ぶつけるように激しく、かつどこか儚い歌い方が聞き所ですね。
 しかし、同じブラック路線でその後、更なる衝撃を受けた歌があります。その自分の中で最大のヒットはアルバム「NEWTRAL」収録の「恋詩(こいうた)」。これもブラックな感じのジャズ歌謡で、ほんとにカッコいいです。爽やかで若々しいイメージの強いバンドですが、これはかなり大人っぽい。これはシングルで出して、歌コン、Mステ、モクハチなどで幅広い層にアピールするべきだったと思います。これなんか聞くと、DEENとデュエットしたら良いだろうなと思います。丁度同じエピックのレーベルメイトですし。「居酒屋」あたり歌ったら、素敵でしょうね。オリジナルのデュエット曲でも良いでしょう。ジャズ歌謡・ファンクの企画アルバムも面白いかも。これや「くちづけ」の路線で一つアルバムを出してみてほしいですね。
 残念ながら「恋詩」はYouTubeに上がっていないので、気になった方はCDを買うか、iTunesストアで視聴してみて下さいね。


おすすめ@くちづけ


おすすめA恋愛小説


おすすめBぱぱぱ〜や



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posted by みさと at 22:09| 奈良 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする